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映画『ビューティフル・マインド』の解説(ネタバレ有)天才の苦悩と人生の答えを描いた傑作物語

akira
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こんにちは。
akira(@akira_movielabo)です。

今回の深掘り映画は『ビューティフル・マインド』です。

2001年公開の伝記的ドラマ映画。
監督ロン・ハワード、脚本アキヴァ・ゴールズマン。135分。

ノーベル経済学賞を受賞した実在の天才数学者、ジョン・ナッシュの人生を描いた物語。

第74回アカデミー賞では作品賞・監督賞・助演女優賞・脚色賞を受賞。
第59回ゴールデングローブ賞では作品賞(ドラマ部門)・脚本賞・主演男優賞・助演女優賞を受賞しました。

非常に高い評価を得ましたが、史実と映画の間にはさまざまな違いがあるためにさまざまな指摘や批判も受けたらしいです。
これに関しては映画はエンタメが前提なので……と言いたくなっちゃいますが。

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映画『ビューティフル・マインド』が観られる配信サービス

この記事はネタバレも含むので、1度観てから一緒に考察していくのがおすすめです。
下の表から自身の使っているサービスで観られるか確認してみてください。

配信状況

サービス配信状況配信種別
U-NEXT定額 ※1
Prime Videoレンタル ※2
NETFLIX×
Hulu定額 ※1
Disney+×
TSUTAYA DISCAS ※3定額 ※1

※1 定額は毎月支払うサービス利用料内で観ることができる見放題作品です。
※2 レンタルは見放題作品に含まれておらず、別途レンタル料が発生します。
※3 TSUTAYA DISCASは宅配レンタルサービスです。
※4 Prime VideoのスターチャンネルEXは、別途月額利用料が発生します。

この記事の情報は、2024年2月時点のものです。最新の配信状況はお使いいただくサービスにてご確認ください。

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映画『ビューティフル・マインド』のヒーローズジャーニー

それでは、映画の流れがヒーローズジャーニーの法則に沿って進んでいくのかみていきましょう。

ヒーローズジャーニーって何?

という方はこちらの記事をどうぞ!!

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日常世界

大学に入学したジョン。天才的な頭脳を持っているが、変わった性格で周囲とは溶け込めず、バカにされることもしばしば。

冒険への誘い/賢者との出会い

授業にも出ず、世界の支配する方程式を探すジョン。ルームメイトのチャールズは数学以外に大切なものを見つけろと指摘する。

冒険の拒否

大学卒業後に理想の就職先にいくためには論文を書いて推薦を貰わなければならないが、答えが出ずに追い込まれるジョン。

戸口の通過

ついにジョンは画期的なテーマをひらめき、論文を書き上げる。教授から推薦をもらい、理想の就職先が決まるジョン。

試練、仲間、敵

数年後。政府の最高機密な仕事も時折手伝うが、普段の仕事は退屈なものばかりで不満が募っていくジョン。教師の仕事も嫌いだが、女学生のラルデと出会う。

最も危険な場所への接近

役人のパーチャーにソ連の暗号を解く秘密の仕事を依頼され、受け入れるジョン。ラルデとの関係も深くなり、結婚する。

最大の試練

命を狙われるジョン。ラルデも妊娠したため、仕事をやめたいとパーチャーに話すが却下される。ラルデに家を出るように命令され、不審に思ったラルデは病院に連絡する。

報酬

ジョンは統合失調症で、チャールズもパーチャーも全て幻覚だった。

帰路

家で治療をしながら研究しているジョン。育児も家事も出来ず、薬の副作用で頭が回らず、さらにはラルデも拒んでしまう。ラルデの負担も相当なものだ。副作用が嫌で薬を飲むことをやめたジョンは再びパーチャーを信じてしまい、病気が再発する。

復活

医師には病院で治療するように勧められているが、おそらくもう家に戻ることはなくなる。ジョンは自分で解決策を見つけると医師に言う。ジョンを信じ、ともに生きることを決めたラルデ。ジョンは大学に通い研究を始める。時がたち、教授としても仕事をするようになったジョン。

宝を持っての帰還

他の教授たちから敬意を受けるジョン。ノーベル賞も受賞し、スピーチでラルデに感謝の言葉を告げる。

映画『ビューティフル・マインド』のテーマ

天才として生まれてしまったジョン・ナッシュ。高い好奇心と天才であるが故のプライド、周囲からの評価を得たい、使命感からこの世を支配する方程式を見つけると決意していますが、そのプレッシャーが知らず知らずのうちに心を蝕んでいました。

統合失調症の困難を乗り越えジョンが見つけた答えは、愛。

人生で最も大切なものは愛だ

これがテーマです。

数学しか自分にはないと思っていたジョンは、長い時間がかかりましたが他人と繋がるようになり、素晴らしい人生を得たのです。

映画『ビューティフル・マインド』をさらに詳しく

ヒーローズジャーニーとは別に、もう一つ大切な要素が『三幕構成』。
三幕構成を用いてワンシーンずつみていきます。

第一幕

大学。教授が新入生に期待の言葉を伝えている。

大在の中からジョンにズームしていくので彼が主人公と印象付け。教授の話でこのクラスは数学科、アインシュタインやモールスを引用しているので相当優秀な生徒たちだと言うことがわかります。

太陽光の反射、学生の話からジョンの頭脳の優秀さと数学しか頭にないことがわかります。

ハンセンにウエイターに間違えられ、バカにされるジョン。言い返すという反応から、彼が負けず嫌いでプライドが高いことがわかります。リアクションがキャラクターを描くんですね。

そして部屋に戻り、チャールズの登場。一瞬ジョンしかいない部屋が映るので、実は幻覚だと示していたんですね。チャールズはこの後も出てきますが、二人だけの空間ではなく他人がいるところにも自然と現れるので、最初から幻覚とわかる人はいないのではと思います。

屋上でチャールズと話すことで、ジョンの人生の目標である『全てを支配する方程式を見つける』ことが説明されます。そしてそれは、『他人から評価を得たい』というジョンの内的な目標でもあるんですね。

その直後に囲碁でハンセンに負けるシーンが置かれています。もしアイディアが浮かばなければジョンは生きる意味はなく、狂ってしまうと予感させます。失敗した時のリスクもしっかりと説明することで、目標に向かうシーンが強くなっていくんですね。

全てを支配する方程式を見つけることは映画全体のジョンの目標であり、第一幕のジョンの目標は論文を出し、研究所に推薦をもらうことです。

教授にも論文を書き上げるように指摘され、しかしアイディアが思い付かず追い詰められていきます。その中で同時に囲碁や口説き文句、ペンをおくことなどの伏線が張り巡らされていてとても上手いですね。

『論文を書き上げ、ジョンは研究所の就職が決まる』。
これが第一ターニングポイントです。

第二幕

二幕に入り、ラルデと出会うジョン。ジョンの外的なストーリーである『大きな仕事をして評価を得る』こととラルデとのラブストーリーがここから始まり、最終的にはそれぞれが混じり合って新しい答えに行き着くんですね。

ラルデもまた、他の生徒とは違う行動をする。キャラ付けの定番ですね。

また悪役は実際には病気なのですが、その病気の象徴としてパーチャーが登場。病気の統合失調症をパーチャーで擬人化してはっきりさせるのはとても良いアイディアですね。高度な政治的問題だから周囲の人間に話せず、誰も知らない。心の病気の特徴である周りからはわからないことともリンクしていて素晴らしいです。

ジョンの部屋からデートシーンをすっ飛ばしてラルデとのパーティーシーンに繋げるアイディアも素晴らしいですね。省略できるところはどんどん省略しましょう。恋愛に関してはジョンよりかなり上手なラルデ。これまでとは違うジョンと他人との関係性が見えて面白いです。ハンカチの伏線も素敵です。

ジョンとラルデが結婚。ここを折り返し地点に、第二幕の後半はジョンがどんどん追い詰められていきます。

命の危機を感じ、周囲を警戒するジョン。どこかに電話をするラルデ。ラルデやチャールズは実はスパイだったのか?と思わせて全てをひっくり返す展開は、これだけで一本の映画が作れそうですね。映画は主人公視点で描かれるもの、という特性を生かしたアイディアです。

映画の中盤では命の危機のシーンがありますが、本作ではアクション的には暗号をポストに投函したところで尾行に追いかけられるシーン。そして内面的にはラルデがジョンにポストに残っていた封筒を見せるシーンの二つが作られています。そりゃ面白いですよね。

ここからしばらくはラルデ視点のシーンが増えていきます。観客にはジョンの心がわからない。ジョンは治ったのか、今何が不安で何に苦しんでいるのか、サスペンスとしてしばらく引っ張られます。同時に支えるものであるラルデの苦悩、ドラマまでも描けるという、いやはやすごいですね。

そして再発。限界まで追い込まれた二人が出した答えは、

『ジョンが自分で治療法を見つけると決意する』。
これが第二ターニングポイントです。

同時にラルデも『ジョンを信じ続ける』というターニングポイントでもあるんですね。

第三幕

まさに復活というべき第三幕。幻覚と戦い、周囲にバカにされつつも徐々にジョンの人生は好転していきます。

食堂のシーン。ノーベル賞の障害としてやはり病気が危惧されるが、それを覆す周囲の行動。マイナスからプラスへとシーンの中でうねりがあってとても良いシーンです。

新たな天才の芽と出会い、周囲から賞賛され、最大の勲章を得る。それらは誰にも証明できない宇宙のような、たった一つの愛が生み出したものなのです。

さいごに

数学という超現実的なジャンルを入り口に、最後は愛という人間の心を描いた素晴らしい映画でしたね。
テーマ、構成、演技。全てが完璧でした。

次回はユーネクスト、Netflixで配信中、スティーブン・スピルバーグ監督の代表作『ジョーズ』を研究します!

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-fin-

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ABOUT ME
akira
1990年生まれ。 映画を、物語・シナリオの側面から深く「面白さ」を知ってもらうために「movie labo」をスタート。 生粋のリバプールファン。
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