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映画『ジュラシック・パーク』の解説(ネタバレ有)恐竜の動物園!子どもの夢のようなアイディアを職人技で描いたスピルバーグの代表作

ジュラシックパーク
akira
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こんにちは。
akira(@akira_movielabo)です。

今回の深掘り映画は『ジュラシック・パーク』です。

1993年公開のSFスリラー映画。
監督スティーブン・スピルバーグ、脚本マイケル・クライトン、デヴィッド・コープ。127分。

マイケル・クライトンの同名小説を原作とした本作、クライトンはスピルバーグが監督するならという条件で映画化を承諾し、本人も脚本に参加。

デヴィッド・コープは続編の『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』や『宇宙戦争』『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』など、他のスピルバーグ作品でも協力していますね。

アカデミー視覚効果賞など3部門で受賞など、CGや美術、音響の分野でも高い評価を得ています。

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映画『ジュラシック・パーク』が観られる配信サービス

この記事はネタバレも含むので、1度観てから一緒に考察していくのがおすすめです。
下の表から自身の使っているサービスで観られるか確認してみてください。

配信状況

サービス配信状況配信種別
U-NEXT定額 ※1
Prime Video定額 ※1
NETFLIX定額 ※1
Hulu定額 ※1
Disney+×
TSUTAYA DISCAS ※3定額 ※1

※1 定額は毎月支払うサービス利用料内で観ることができる見放題作品です。
※2 レンタルは見放題作品に含まれておらず、別途レンタル料が発生します。
※3 TSUTAYA DISCASは宅配レンタルサービスです。
※4 Prime VideoのスターチャンネルEXは、別途月額利用料が発生します。

この記事の情報は、2024年4月時点のものです。最新の配信状況はお使いいただくサービスにてご確認ください。

個人的にオススメのVODサービスは、取り扱っている作品数が段違いなU-NEXT

U-NEXTはトライアル期間が1ヶ月あるので、使い心地を自分で実際試せます。まだ使ったことがない人は、ぜひこの機会に試してみてください。

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映画『ジュラシック・パーク』のヒーローズジャーニー

それでは、映画の流れがヒーローズジャーニーの法則に沿って進んでいくのかみていきましょう。

ヒーローズジャーニーって何?

という方はこちらの記事をどうぞ!!

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日常世界

著名な恐竜博士のアランとその恋人エリー。アランは子どもが苦手だ。

冒険への誘い

彼らの研究の出資をしているハモンドからある島にある動物園の視察をして欲しいと頼まれる。

冒険への誘い

彼らの研究の出資をしているハモンドからある島にある動物園の視察をして欲しいと頼まれる。

冒険の拒否

数学者のマルコムとともに島を訪れるアランたち。ハモンドは恐竜を復活させ、恐竜のテーマパーク『ジュラシック・パーク』を準備していた。本物の恐竜に驚き、興奮を隠せないアラン。しかしTレックスやラプトルなど危険な恐竜もおり、現代に恐竜を復活させることは何が起きるかわからないと専門家たちは苦言を呈す。繁殖をしないように遺伝子操作し、高圧電流で厳重に管理していると自信を持っているハモンド。

賢者との出会い

ハモンドの孫、ティムとアレクシスも島にやってくる。

戸口の通過

恐竜ツアーが始まる。

試練、仲間、敵

恐竜は自由に生きているためツアーは予定通りに進まず、不満なハモンド。病気の恐竜を見つけ、エリーはアランたちと別行動を始める。島のシステムを管理しているネドリーが管理システムを停止し、恐竜の胚を盗みライバル会社に売ろうとする。

最も危険な場所への接近

ネドリーがいないとシステムが元通りにならない。ツアーが停止し、恐竜エリアに取り残されるアランたち。高圧電流は切れてしまっている。ネドリーは島から逃げようとする際、恐竜に襲われ死んでしまう。

最大の試練

ティラノがフェンスを破り、アランたちを襲い始める。逃げるアランたち。エリーがアランを探しに向かうが、ティラノが襲ってきたため逃げていく。

報酬

システムを再起動させることに成功したハモンドたち。しかし、ブレーカーが落ちてしまっている。

帰路

ブレーカーを戻しに向かうエリー。フェンスを破ったラプトルに襲われるが、なんとか逃げ切る。

復活

エリーと合流するアラン。ラプトルが襲ってくるが、ティラノがラプトルを倒し、アランたちは逃げ切る。

宝を持っての帰還

ハモンドはジュラシック・パークを諦める。島を脱出するアランたち。

映画『ジュラシック・パーク』のテーマ

一度は恐竜の復活に興奮するものの、ランチのシーンでアラン・エリー・マルコムは皆その復活は危険であるとハモンドに警告します。そのセリフにある通り、

自然を甘く見るな

これがテーマです。

ヒーローズ・ジャーニーで振り返って見ると、アランたちは恐竜から逃げてばかりで倒してはいないんですね。クライマックスもティラノがラプトルを倒しました。

人間には自然を超える力を持っていない、そういうメッセージが含まれた展開になっています。

映画『ジュラシック・パーク』をさらに詳しく

ヒーローズジャーニーとは別に、もう一つ大切な要素が『三幕構成』。
三幕構成を用いてワンシーンずつみていきます。

第一幕

オープニング。
森の中、虫の声。
武装する作業員の前に巨大なコンテナが現れる。中には危険な生物。生物を檻に移そうとした時、生物が暴れて作業員が殺される。

物語の舞台は森なので、森林の音から入り、続いて映像へと情報を増やしています。運ばれている生物はラプトルですが、映すのは眼だけで姿は見せません。これは『ジョーズ』でもあった焦らしの演出ですね。口と手の動きだけで状況と死んだという事実がわかります。

つづいて弁護士が登場。事故後のハモンドの動きと専門家に視察を頼むこと、つまり次のシーンの動きを説明。蚊の化石も登場させて伏線にもなっています。

アランの登場シーン。パソコンと子どもが苦手なアラン。パソコンが苦手、つまり時代に遅れているということですが、現代に恐竜が現れるという『時代のミスマッチ』と同じテーマになっています。面白いですね。

恐竜をバカにされムキになったアランが子供に説明しますが、同時にラプトルの狩りの仕方を観客に説明しています。キャラクターの表現とラプトルの伏線を両立させる上手い技ですね。爪の化石を見せてより具体的に危険な印象を与えます。

ハモンドの登場シーン。人の家の冷蔵庫を勝手に開ける、まさに金持ちで自分中心なキャラクターですね。ハモンドが作った施設へ視察にいくことも最初はアランは嫌がります。つまり小さな『冒険の拒否』が描かれていますね。なんでも受け入れる主人公は面白くないですからね。しかし、金の力には負けてしまう弱い立場でもあります。

今度はネドリーの登場シーン。重要なキャラクターは一幕のうちに登場させて観客に覚えてもらいます。肥満で生意気、金に目がない。典型的な問題児です。悪いことをしそうで、めんどくさいことになりそうな予感がします。

島に向かうアランたち。島に行って、島から帰る。非常にシンプルな物語です。ヘリの着陸シーンでもヘリが揺れたりと、この旅はうまく行かなそうだな、と嫌な予感をさせますね。

高圧電流を実際に通過することで説明。そしてついに恐竜が登場します。このシーンもアランやエリーのリアクションを見せてからなど、少しでも多くの焦らしを入れていますね。が、ティラノはまだまだ焦らします。当然の疑問である『どうやって恐竜を蘇らせたのか?』という問いをシーンの終わりにつけ、次のシーンへ繋げていきます。

アトラクションの映像を通じて復活させた方法、研究室のシーンで恐竜の厳重な管理についても説明しています。しかし、絶対はないと警告するマルコム。観客もこれから悪いことが起きるんだな、と予想しますよね。

物語上悪役の象徴としてヴェロキラプトルを使っています。ティラノも凶暴で危険な生物ですが、最後の展開でもある通り中立というか絶対的な最強の存在になっていますね。

最後に一番の障害となるハモンドの孫たちも登場し、『ジュラシック・パークのツアーが始まる』。これが第一ターニングポイントです。

ジュラシック・パークの門はまさに『戸口の通過』ですね。

第二幕

恐竜ツアーが始まりますが恐竜は出てこず、病気のトリケラトプスだけ。焦らし続けますね。ネドリーが再登場し、ネドリーの役職と不満、ハモンドとの関係が見えてきます。

アランとエリーたちは分かれて行動し始め、ネドリーの悪事がきっかけで恐竜が脱走。物語が複雑化し、事態がどんどん悪化していきます。偶然ではなく人間の悪意で問題が起きてしまう展開が良いですね。自然を冒涜する人間、金に目がくらむ人間を表しています。

トリケラトプスの病気もその場限りのアイディアになっていますが、本来は何かの伏線で、後半のどこかで回収する予定だったが時間の関係でカットしたのではないかなと推測します。

映画が始まって1時間、およそ半分のところでついにティラノが登場します。

足音とコップの振動、ヤギを使って最後まで焦らして、登場からいきなり暴れる。最高ですね。車に閉じ込められたティムたち。それを表現するために車内からの視点を多く取り入れてシーンを撮っています。

アランがティラノは動くものに反応すると説明した上で、無知な子供の行動でライトやドアで状況を悪化させていく。ツアーの車を2台使って博士たちと子供を分けた理由もここにありますね。自分の事しか考えなかった弁護士には罰が与えられます。

車内の展開が終わったら、崖を使った縦の展開。最高のエンタメです。しかし、ティラノはどうやってあの高さまで登ってきたんですかね…

ネドリーの退場シーンでは、小さくても危険な恐竜で緊張と緩和を使い、ティムを木から助けるシーンでは恐竜を使わずに状況を利用してエンタメをみせ、最後はティムのジョークで終わらせる。どのシーンも様々な要素で楽しませてくれます。ちなみに、木から降りるときは横に逃げればよかったですね。

アランたちが木の上で眠るシーン、ハモンドとエリーが会話するシーンはいわゆる『焚き火』のシーン。怒涛のアクションが続いたので、ここで観客に一息つかせてくれると同時に、キャラを深掘り、関係を強化させます。

アランの逃走のストーリーとハモンドたちのシステムを復旧させるサブストーリーが絡み合っている展開はとても上手いですね。

『アランたちが恐竜ゾーンを抜け出す』。これが第二ターニングポイントです。

第三幕

と同時にラプトルに襲われるエリー。
エリーはなんとか逃げ出しますが、監視員はアランの説明の伏線回収とともに襲われてしまいます。狡猾で凶暴なラプトルが三幕の最大の敵だという事ですね。

施設に着いて助かったと思わせといて、まだまだ恐怖は終わりません。ご馳走とラプトルの壁画からの影。憎い演出ですね。狭い空間、子供達だけでラプトルから逃げるという最悪のシチュエーションも素晴らしいです。

絶体絶命のクライマックス。ティラノの化石から本物のティラノへ。メインテーマの音楽も完璧ですね。最後のティラノの咆哮とバナー。とにかくこの映画は絵になるシーンがたくさんあります。

脱出するヘリのシーン。子供に囲まれたアラン。子供が苦手だったアランの内的なストーリー、変化・成長ですね。

一方、蚊の化石を見るハモンド。行きのヘリではアランがラプトルの爪の化石を持っていました。みな古代に夢を見ますが、自然の流れに歯向かったら罰が与えられてしまうのです。

さいごに

前半は焦らしと伏線を張り巡らせ、後半に伏線回収と怒涛のアクション。子供の夢のようなアイディアを綿密に計算された職人のシナリオで見事な映画となりました。

次回はAmazonプライムビデオ、U-NEXTで配信中、同じくスティーブン・スピルバーグ監督で、続編の『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』を研究します!

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-fin-

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akira
1990年生まれ。 映画を、物語・シナリオの側面から深く「面白さ」を知ってもらうために「movie labo」をスタート。 生粋のリバプールファン。
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