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映画『ブレックファスト・クラブ』の解説(ネタバレ有)本音をさらけ出すのはダサい。だが、最高だ。

akira
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こんにちは。
akira(@akira_movielabo)です。

今回の深掘り映画は『ブレックファスト・クラブ』です。

1985年公開の青春ドラマ映画。監督・脚本ジョン・ヒューズ。97分。

ジョン・ヒューズはコメディを得意とし、『ホーム・アローン』など多くのコメディ映画の監督・脚本を手掛けています。

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『ブラット・パック』と呼ばれる1980年代のハリウッド青春映画に出演した若手俳優の一団に名付けられたあだ名があり、その代表作。アメリカにおける『スクールカースト』の存在を暴露した映画として知られています。

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映画『ブレックファスト・クラブ』が観られる配信サービス

この記事はネタバレも含むので、1度観てから一緒に考察していくのがおすすめです。
下の表から自身の使っているサービスで観られるか確認してみてください。

配信状況

サービス配信状況配信種別
U-NEXT定額 ※1
Prime Videoレンタル ※2
NETFLIX×
Hulu×
Disney+×
TSUTAYA DISCAS ※3定額 ※1

※1 定額は毎月支払うサービス利用料内で観ることができる見放題作品です。
※2 レンタルは見放題作品に含まれておらず、別途レンタル料が発生します。
※3 TSUTAYA DISCASは宅配レンタルサービスです。
※4 Prime VideoのスターチャンネルEXは、別途月額利用料が発生します。

この記事の情報は、2024年1月時点のものです。最新の配信状況はお使いいただくサービスにてご確認ください。

個人的にオススメのVODサービスは、取り扱っている作品数が段違いなU-NEXTか、サービスが充実していてコスパの良いPrime Video

どちらもトライアル期間が1ヶ月あるので、使い心地を自分で実際試せます。まだ使ったことがない人は、ぜひこの機会に試してみてください。

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映画『ブレックファスト・クラブ』のヒーローズジャーニー

それでは、映画の流れがヒーローズジャーニーの法則に沿って進んでいくのかみていきましょう。

ヒーローズジャーニーって何?

という方はこちらの記事をどうぞ!!

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日常世界

土曜日の図書室に補習で集められた初対面のアンドリュー、クレア、ブライアン、ジョン、アリソン。

冒険への誘い

見張りのヴァーノン先生から『自分とは何か?』の作文を書くように課題を出される。

冒険の拒否/賢者との出会い

真面目に作文を書こうとせず、時間を潰す5人。

戸口の通過/試練、仲間、敵

暇つぶしに雑談を始めるうちに少しずつ相手を知っていく5人。

最も危険な場所への接近

ヴァーノンが席を外しているうちに図書室を抜け出す5人。ジョンがロッカーに隠していたマリファナを持ち出す。

最大の試練

ヴァーノンに気付かれ、ジョンが囮となって逃げる。ジョンは倉庫に閉じ込められ、説教・侮辱される。

報酬

倉庫を抜け出し図書室に戻ってきたジョン。マリファナを吸い、みんなハイになる。

帰路/復活

お互いの補習の理由、それに通ずるコンプレックスを曝け出す5人。皆同じ学校だが違う世界に生きており、それぞれが悩みを抱えている。

宝を持っての帰還

アンドリューとアリソン、ジョンとクレアが惹かれあう。それぞれ別れて家に帰っていく。

映画『ブレックファスト・クラブ』のテーマ

メインストーリーの目的でもある、

『自分とは何か?』これがテーマです。

未成年で成長途中の彼らは皆親に対するコンプレックスを持っています。

それは不良や不思議ちゃんだけでもなく、一見充実してそうなアスリート、ガリ勉、お姫様にも同様です。彼らは同じ学校にいながらもお互いを知らず、周囲の目やイメージに縛り付けられ、本音で話せる友人はいません。

それを『土曜日の図書館』という非日常の世界を舞台にぶつけ合っていきます。

朝のシーンはこれまでの世界を表し、、非日常である図書館の物語を経て、結局日常であるそれぞれの家や学校の世界に帰りますが、そこはオープニングとは全く違う世界に見えてきているはずです。

映画『ブレックファスト・クラブ』をさらに詳しく

ヒーローズジャーニーとは別に、もう一つ大切な要素が『三幕構成』。
三幕構成を用いてワンシーンずつみていきます。

第一幕

オープニング。青春映画らしくロックな音楽、デビッド・ボウイのメッセージ、画面を破壊する映像で始まります。青春は何かを壊すことですよね。

誰もいない学校。親に送られてくる4人と、歩いてくるジョン。それぞれ短い会話とアリソンの無言のお見送りですが、現状を的確に表しています。5人のキャラクターは、最初は王道なイメージ通りの設定となっています。

誰もいない学校の図書室、と言う舞台設定がいいですよね。日常と同じ場所でありながらいつもと違う場所。近いけど遠いと言うスクールカーストを暗示しているようにも思えます。

作文を書くつもりもなく、暇なのでジョンが勝手に話し始める。これからどんな展開になるのか不安になるくらい目的のないシーンですね。しかしこれも対立とそれぞれのイメージを決めつける説明のシーンになっています。

クレアがジョンに対して、『拒絶されるのが怖いからバカにするのよ』と言うセリフがありますが、これは彼ら5人を含めスクールカースト全員に対するセリフ・テーマですね。

皆それぞれ友人たちからハブられるのが怖いからそういうキャラクターとして生きているのです。

ドアを壊したジョンを庇う5人。ヴァーノンという共通した悪役がいることで5人の結束が自然と出来上がるようになっています。

『雑談を始める』これが第一ターニングポイントです。

第二幕

この辺りから、それぞれの家族に対する不満が少しづつ漏れてきます。アリソンもクレアの両親の不満なんて、と言わんばかりの反応を初めて見せます。アリソンの反応に笑うアンドリュー、クレアが名前を教え、処女といじるジョン。クレアとジョンは性に関する会話が多いですね。ラストに向けての関係の構築がこの時点から始まっています。

アンドリューとアリソンが二人で飲み物を買いに行くのも同じですね。二人の前後の位置関係で会話の主導権を視覚的に見せています。アンドリュー、ここでは補習の理由はまだ誤魔化します。

ランチのシーン。それぞれの個性が表れたランチになっていて面白いですね。ジョンがそれぞれいじりながら、アリソンは奇怪なランチ、と和やかな始まりですが、最後はジョンの激怒で終わります。シーンの中にも抑揚を作っていますね。

生徒たちは周囲の目を気にして悩んでいますが、逆にヴァーノンは周囲の目や権力を利用する最低の悪役となっていますね。二人しかいない場所でジョンを脅迫する。せこい人間で、これまで反抗していたジョンもドン引きしています。

逃げてきたジョンを再び庇うアンドリューたち。ジョンはみんなのために囮になった。どんどん5人の関係が強く深くなっていきますね。

『マリファナを吸う』これが第二ターニングポイントです。

第三幕

マリファナを吸うことが最後のトリガーとなり、さらに深い話・本音を曝け出していきます。

5人が輪になって話すシーン。映画全体の5分の1である20分ほどのかなり長尺なシーンですが、それぞれがぶつかり合い月曜日には再び無視しあうであろうという『帰路』と、相手を受け入れ再び笑い合う『復活』を同時に描いており、見応えのあるとても重要な場面ですね。

アンドリューとアリソン、クレアとジョンが惹かれ合い、ラストシーンへ。それぞれが家に帰っていきますが、充実感が伝わってきます。

ジョンが右手を突き上げる。ダサいですね。ダサいですが、最高にかっこいい姿です。

さいごに

集まって、話して、帰っていくだけのストーリー。それだけでこれだけ面白い映画を作るのは本当にすごいです。テーマとキャラクターがしっかりしているから出来るんですね。素晴らしい映画でした。

次回はU-NEXTで配信中、ロバート・デ・ニーロ主演の『ミッドナイト・ラン』を研究します!

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-fin-

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ABOUT ME
akira
1990年生まれ。 映画を、物語・シナリオの側面から深く「面白さ」を知ってもらうために「movie labo」をスタート。 生粋のリバプールファン。
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