映画『ホーム・アローン』の解説(ネタバレ有)クリスマスの定番コメディ作品

こんにちは。
akira(@akira_movielabo)です。
今回の深掘り映画は『ホーム・アローン』です。

1990年に作られたコメディ映画。
監督クリス・コロンバス、脚本ジョン・ヒューズ。
シリーズ化もされ、クリスマスの定番映画として今でも愛されているこの映画を、今回は研究しようと思います。
映画『ホーム・アローン』のヒーローズジャーニー
それでは、ヒーローズジャーニーを見ながら研究していきましょう。

ヒーローズジャーニーって何?
という方はこちらの記事をどうぞ!!

この記事はネタバレも含むので、1度観てから一緒に考察していくのがおすすめです。
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※この記事の情報は、2022年11月時点のものです。最新の配信状況はお使いいただくサービスにてご確認ください。
日常
親戚も加わった大家族の、パリ旅行前夜。
準備に追われる家族たち。ケビンは1人では何もできず、ひねくれた性格の少年。兄弟からは嫌われ、両親からも疎まれ、孤立している。
長男のバズに挑発され、怒るケビン。家族全員に迷惑をかけてしまい、母・ケイトに罰として屋根裏部屋で1人寝るように言われる。
泥棒のハリーは警官に扮してケビン家に下見に来ている。
冒険へのいざない
旅行当日。
寝坊してしまいパニックになるケイトたち。ケビンを置いてパリに行ってしまう。
ケビンのひとりの生活が始まる。
冒険への拒否
ひとりの生活を楽しむケビン。
しかし、ギャング映画を見て思わず「ママ!」と叫ぶ。
戸口の通過/賢者との出会い
ハリーとマーヴがケビン家に盗みに入ろうとする。
とっさの機転で追い返すケビン。家を守ろうと決意する。
試練、仲間、敵/最も危険な場所への接近
しかし、ハリーどころか来訪者(警官)にも怖がってしまうケビン。
大人と同じように身だしなみを整える。が、1人で買い物も出来ないケビン。隣人のマーリーも怖い存在だ。
ハリーたちはケビン家が留守だと気づき、ケビンはハリーが警官に扮していた泥棒だと気づく。
最大の試練
ハリーたちをごまかすためにパーティーのフリをするケビン。ハリーたちは撤退する。
良い子になるから家族に戻ってきてと願うケビン。
報酬
1人で買い物をし、怖かった地下室で洗濯もするケビン。
マーヴが偵察に来るも、ギャング映画を使って再び追い返す。
しかしハリーにケビンが1人でいることを気づかれてしまう。彼らは9時に再びやってくるようだ。
帰路
偽物のサンタを通じて、サンタに家族を返して欲しいと頼むケビン。
教会でマーリーと出会い、これまでの反省と家族の素晴らしさを話すケビン。同じくマーリーも息子にひどいことを言ってしまったと後悔している。マーリーとお互いに家族と話そう、と約束するケビン。
9時が迫り、家の中に罠を仕掛けるケビン。
復活
ハリーたちがやって来る。
仕掛けた罠で迎え撃つケビン。最後は捕らわれてしまうものの、マーリーが助けてくれる。ハリーたちは警察に捕まる。
宝を持って帰還
クリスマスの朝。
ケビンが目覚めるが、家族はいない。と、ケイトが帰ってくる。ケイトはクリスマスの準備が出来ていることに驚く。ケビンと再会し、謝るケイト。ケビンは抱きつく。
時を同じくして家族も帰って来る。バズは1人で留守番していたケビンを称える。買い物もしたことに驚く家族たち。
マーリーも息子と再会し、嬉しいケビン。
映画『ホーム・アローン』のテーマ
「たったひとりで生活する」という特別な世界を通じて、主人公・ケビンは
『 家族はとても大切な存在だ 』
ということを学んでいきます。そして同時に、家族たち、特に母・ケイトも同じことを改めて気づかされるのです。
映画『ホーム・アローン』をさらに詳しく
ヒーローズジャーニーともう一つ大切な要素、『三幕構成』を用いてワンシーンずつみていきます。
第一幕
オープニング。
クリスマスらしい音楽に続いて、少し不穏な音楽が流れ、タイトルが出てきます。
警官に扮したハリーが、大家族のケビン家を訪れている。荷物の上に寝たり、ケイトにも言い返すこと。父・ピーターの趣味の道具を工作に使うことで、ケビンの性格や能力が紹介されます。
その後の兄弟との会話・ダイニングでのトラブルで、ケビンは家族の中で孤立していることがわかります。無言で睨まれるシーンはとてもつらく感じますね。
そして要所要所で、明日パリ旅行に行く・8時に出発する、などの情報が、どれも子どもやハリーからの質問に答える、という形で説明されます。
「主人公が事件に巻き込まれる」という形の映画の場合、悪役の計画が主人公より、映画のオープニングよりも先行している場合が多いです。
この映画でも、ハリーの泥棒の計画は映画のオープニングの前から始まっています。
そしてやはりケビンが工作したものは出したほうが良かったのでは?と思います。映像にしたほうがわかりやすいし、ハリー達と対決するときにも使えたかもしれません。
もしくは、ケイトの荷物に紛れてしまい、離れた地でそれを見てケビンを思うケイト。偶然それが壊れてしまい、不安に思う。など、定番でありますがそこからまた何かが生まれたかもしれません。
第一ターニングポイントは、ハリー達がケビン家に盗みを試みる。
この映画の賢者とは、自分のうちにある勇気などを指すと思います。
第二幕
歯ブラシの買い物シーンと、スーパーの買い物シーンは対になっています。
映画の真ん中でケビンは良い子になって家族に戻ってきて欲しいと願い、それを表すようにシーンが置かれています。
地下室の克服も、同じように置かれています。
教会でマーリーと話すシーン。
ケビンはマーリーから反省することや大人になっても家族について悩む、などを教えてもらいますが、ケビンもマーリーにアドバイスをするので、マーリーは賢者よりも仲間に近い役割だと思います。
マーリーは序盤から姿を現しますが、もっと早くケビンと出会い、賢者として使ったほうがよかったのではと思います。
ケビンの一人生活が始まってすぐあたりから、それこそ雪かきを手伝ってもらう、などから出会い、マーリーに教えてもらう形で徐々に一人の生活ができるようになる……みたいな感じですかね。
そしてマーリー自身もケビンとのかかわりで成長し、息子に出会う。なども出来たのかなと思います。
第三幕
ハリー達との対決。
罠がとても印象深いですが、このシーンは15分ほどしかないのが意外でした。
そしてケイトとの再会。
いきなり会わせず、ちゃんと焦らしてから会わせています。
バズも褒めてくれますが、ちょっと急な気がしますね。
シンプルでわかりやすいストーリーなので、必然的にワンシーンワンシーンもわかりやすくなり、そこにキャラクター性やアイディア、アクションをたくさん入れて、面白くしています。
「子どもが一人で泥棒二人と対決する」これだけで、想像が膨らみます。
そんなのありえない、だからこそ面白いんですね。
コメディなのである程度観客も寛容になると思います。
知り合い・近所の人が全員留守、ギャング映画で脅す、などなど、普通のドラマだったら許しませんよね。
さいごに
クリスマスにぴったりなテーマでもあり、そして大人になるとケイトの気持ちもよりわかってきてまた面白く、感動する。そんな映画でした。
最近では大人になったマコーレー・カルキンが出演するリメイク映像が、グーグルのCMとして作られ話題になりましたね。
クリスマスの季節を感じながら家族で観る映画にぜひ選んでみてください。
次回は地上波で『風の谷のナウシカ』と『耳をすませば』が放送されるので、それに合わせジブリを2連続で研究しようと思います。

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