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映画『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』の解説(ネタバレ有)完璧人間とダメ人間の王道コンビによるコメディアクション!

ホットファズ
akira
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こんにちは。
akira(@akira_movielabo)です。

今回の深掘り映画は『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!』。

2007年公開のコメディアクション映画。
監督エドガー・ライト、脚本エドガー・ライト、サイモン・ペッグ。121分。

エドガー・ライトの2作目の作品で、脚本に参加しているサイモン・ペッグは主演もしていますね。

エドガー・ライトは大作を作らず、低予算で小規模な作品を多く作っています。そのおかげか自分の個性を存分に発揮し、いずれもヒット、批評家からも高く評価されています。

ショーン・オブ・ザ・デッド』、『ベイビー・ドライバー』などコメディや音楽に合わせたアクションが得意ですね。

タイトルにあるthe fuzzはイギリス英語のスラングで「警察」という意味で、ホットファズは凄い警察という意味になります。

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映画『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』が観られる配信サービス

この記事はネタバレも含むので、1度観てから一緒に考察していくのがおすすめです。
下の表から自身の使っているサービスで観られるか確認してみてください。

配信状況

サービス配信状況配信種別
U-NEXT定額 ※1
Prime Videoレンタル ※2
NETFLIX×
Hulu×
Disney+×
TSUTAYA DISCAS ※3定額 ※1

※1 定額は毎月支払うサービス利用料内で観ることができる見放題作品です。
※2 レンタルは見放題作品に含まれておらず、別途レンタル料が発生します。
※3 TSUTAYA DISCASは宅配レンタルサービスです。

この記事の情報は、2023年12月時点のものです。最新の配信状況はお使いいただくサービスにてご確認ください。

個人的にオススメのVODサービスは、取り扱っている作品数が段違いなU-NEXT

U-NEXTはトライアル期間が1ヶ月あるので、使い心地を自分で実際試せます。まだ使ったことがない人は、ぜひこの機会に試してみてください。

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映画『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』のヒーローズジャーニー

それでは、映画の流れがヒーローズジャーニーの法則に沿って進んでいくのかみていきましょう。

ヒーローズジャーニーって何?

という方はこちらの記事をどうぞ!!

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日常世界

警察学校を首席で合格。ロンドン警視庁でも熱心に仕事をし、活躍しているエンジェル。

冒険への誘い/冒険の拒否

しかしその有能さゆえに上司から疎まれ、田舎のサンドフォードへ左遷されてしまう。
抗議するエンジェルだが、同僚からも疎まれていると知り、諦める。元恋人からも仕事より大事な人を見つけるようにアドバイスされる。

戸口の通過/賢者との出会い

サンドフォードに来たエンジェル。
署長の息子ダニーとチームを組む。犯罪のない平和な町で、同僚たちの仕事も適当だ。

試練、仲間、敵

不可解な事故が起き、殺人事件と睨むエンジェルだが、同僚たちはまともに取り合わない。

最も危険な場所への接近

さらに事故が立て続けに起き、殺人事件だと確信するエンジェル。

最大の試練

事故を殺人だと繋げようとするエンジェルに、エンジェルが犯人ではないかと疑う同僚たち。

報酬

単独で捜査をし、被害者たちに繋がりがあることに気づいたエンジェルは、スーパーのオーナー・スキナーが犯人と確信する。
スキナー逮捕に向かうが彼には完璧なアリバイがあり、諦めるエンジェル。同僚たちの信頼も完全に失う。

帰路

エンジェルが襲われる。
村の人々が村の価値を守るために部外者や問題のある人物を次々と殺していたと発覚する。署長、ダニーも犯人グループだった。騙されていたダニーだが父を裏切れない。
ダニーはエンジェルを逃がし、ロンドンへ帰るエンジェル。

復活

村に戻ってきたエンジェル。ダニーや真実に気づいた同僚も協力して村人たちを倒し、事件を解決する。

宝を持っての帰還

ロンドンに戻るように頼まれるが断り、サンドフォードの署長となったエンジェル。

映画『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』のテーマ

人生を豊かにするのは仕事ではなく、
仲間たちである

これがテーマです。

仕事人間だったエンジェルがダニーという『愛すべきバカ』と出会うことで、ダニーと仲良くしようと誕生日プレゼントまで買うように成長・変化します。

その結果、クライマックスではダニーや仲間たちも味方となり、事件を解決することができました。ラストシーンではロンドンよりもサンドフォードのために仕事をするようになりましたね。

また、村人たちの犯行動機にも皮肉の効いたテーマが見えます。村グランプリで1位を取るために人を殺す、真実の価値よりも虚像の価値を優先しています。

今にも通ずるSNSでの映えやマウントを取ることを強烈に批判していますね。テーマを極端にすることは映画でよく使われる手法です。

仲間の大切さに気づいたエンジェルと、裏切るなら仲間だった村の住民も殺す同盟の対比にもなっています。白鳥のオチもいいですが、村人同士のいざこざで終わるオチも良かったかもしれませんね。

映画『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』をさらに詳しく

ヒーローズジャーニーとは別に、もう一つ大切な要素が『三幕構成』。
三幕構成を用いてワンシーンずつみていきます。

第一幕

オープニング。
サイレン音と、警察署内を歩くエンジェル。続いてエンジェルの経歴が説明されます。この映画の主人公をわかりやすく印象付けていますね。オープニングであり、テンポのいい説明なので観客も苦にしません。

上司に左遷を命じられるエンジェル。ここも説明するシーンですが、ユーモアも織り交ぜつつ話す相手を次々と変えながら情報を追加していくテクニックは素晴らしいです。

映画の序盤で主人公を孤立させる展開は物語の定番です。左遷といえばダメなキャラクターなイメージですが、優秀なキャラクターでも不純な動機で出来てしまうところがコメディというジャンルの懐の深さな気がしますね。

ジャニーンに左遷を話し、仕事より大事な人を見つけるようにアドバイスされるエンジェル。完璧な能力を持ったエンジェルですが、内面の課題についてここで指摘します。彼の唯一の欠点です。

サンドフォードにやってきたエンジェル。ホテルの老婦人との会話も、『ファシズム』や『クソババア』がクロスワードだけでなく映画の内容まで意味していて面白いですね。

ダニーと出会うエンジェル。飲酒運転の出会い方や、署長の一言で関係性がわかるスマートさが上手いです。

サンドフォードでの仕事が始まるエンジェル。
これが第一ターニングポイントです。

第二幕

ダニーがエンジェルに興味を示しているのも、ダニーが凄腕の警官に憧れているという背景があるからですね。近隣監視同盟、学生たち、ティムの誤字、白鳥、子供複数禁止の店、その会話、ロングコートの男、スキナーのスーパーとこれでもかと伏線を張っていきます。

さらに最初の被害者となるブロワーとイブをスピード違反を使って印象づけをします。メモを取ることが重要とエンジェルが話しますが、この後このアイディアが特に使われていないのが残念です。

次々とおこるグロテスクな殺人シーンや死体もエドガー・ライトらしさが出ていて良いですね。

農場で大量の武器を見つける大仕事をしたことでダニーとエンジェルの関係が少し深くなり、パブやダニーの家でエンジェルが自分のことを話す、つまり内面のテーマを描くシーンに繋がっていきます。

要所要所でスキナーを登場させることで、わかりやすいですがミスリードさせていますね。バザー会場で15時にティムが殺される瞬間もちゃんと不在にしています。

映画のちょうど半分のところで、エンジェルの訴えが届き署長が捜査を指示します。その性格から同僚たちに疎まれ、変化しようとダニーの誕生日プレゼントを買おうとして容疑者になると自らの行動が不利な方向へと向かってしまいます。追い討ちをかけるようにスキナー逮捕も失敗。署長ら近隣監視同盟がエンジェルを追い詰めますが、ダニーの機転で窮地を脱します。

サンドフォードを去ろうとしたエンジェルだったが、再び戻る。これが第二ターニングポイントです。戻るきっかけとなったのがダニーの影響という点が素晴らしいですね。内面と外面の物語が絡み合ってきています。

第三幕

ミステリー要素だった悪役がわかったので、映画の4分の1に当たる30分ほどをアクションだけに集中することが出来ます。

サングラスをかけることは衣装を変える、つまり生まれ変わることを視覚的に表しているんですね。衣装の変化もとても大事です。

村人それぞれのキャラクターの伏線を回収しながら駆け抜けていくクライマックスはとても楽しいものです。

さいごに

たくさんのユーモアと伏線を使ってハイテンションに、最後まで楽しいエンタメ映画でした!

ただ序盤が村人たちの説明をしなければならないので、少しのぺっとした展開となってしまったのかな……とも思います。
もう少しスピーディーにして欲しかった!

次回は、ソフィア・コッポラ初監督作の『ヴァージン・スーサイズ』を研究します!

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-fin-

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ABOUT ME
akira
1990年生まれ。 映画を、物語・シナリオの側面から深く「面白さ」を知ってもらうために「movie labo」をスタート。 生粋のリバプールファン。
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